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携帯にイヤホンをさして、ミュージックプレイヤー機能で入れてる曲をランダムに再生しながら、日本晴れの青空を眺めて歩を進める。
平和だね~と年寄りみたいなセリフを吐くも、地球の裏側では紛争、飢餓、貧困等に喘ぐ人々がいる現実を考えて少し不謹慎な発言をしたと気分が沈む。
俺って結構小心者なんだよね。
人に悪口言ったらその人が傷ついているんじゃ!?とマジで心配になる程だからね。
我ながら小さい肝っ玉だと思うよ。
角を曲がって住宅街から大きな道路に出る。
赤いスポーツカーが横を通り過ぎていくが、別に車に興味がないので気にならない。
「ふぁ~」
昨日、夜中までネットで喰○・零(ガレ○・ゼロ)見ていたので眠い。
目尻に浮いた涙を指で擦っていると、不意に顔に影がかかるのを感じた。
「?」
何だろうと思い顔を上げて……絶句した。
俺の真上に、何故か米俵(こめだわら)があったからだ。
歴史の資料集に年貢を納める絵が載っていたが、まさにそれに出てくる藁で作られた米俵。
それが急速に俺に迫って落ちてきていた。
「ありえねーだろ!」
そんな魂の叫びと共に、俺の意識は闇へと沈んだ。
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