異世界、始まります

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「えっと、その、私昔から誰かと一緒のお布団で寝てみたかったんです」 「そんなの家族とやればいいじゃないか」 「両親は忙しくてそれどころじゃありませんでしたし、兄弟も兄しかいなくて……私、ずっと姉がほしかったんです。ご迷惑……でしたか?」 うっ、そんな捨てられた子犬みたいな目で見るな。俺が悪者みたいじゃないか…… 「……敬語」 「えっ?」 「姉妹なら、敬語はおかしいだろ?後、私を呼ぶ時は呼び捨てでいい」 ポカーンとした顔で俺を見ていたアニエスは、次の瞬間、目を輝かせた。 「ほ、本当に?本当にいいのですか?」 「敬語。ま、やる事もないし、しばらくは付き合うよ」 「ありがとう、リョウ!」 声を弾ませて、アニエスは俺の胸に顔を埋めて抱きついた。 「ちょっ、アニエス!くすぐったいよ……ひゃあっ!」 「やめませ~ん!」 「あ、そこは……ダメっ………って、いい加減にしなさい!」 ゴンッ! 「ふにゃっ!」 悪乗りするアニエスにゲンコツを見舞って黙らせる。 「痛いよ~」 「自業自得!さ、明日も早いんだし、寝るよ」 「は~い、お姉ちゃん♪」 にっこりと笑うアニエスに苦笑して、寄り添うように俺達は眠りに落ちた。
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