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「あわわっ、すみません!皆さん退いてくださーい!」
アニエスの言葉でようやく兵達も退いてくれた。
「あー、ビックリした」
「いや、私達の方がビックリしてるんだが……」
何気に男性からツッコミがきた。
「アニエス……あの二人はもしかして……」
「はい、私の両親です」
「国王のグレン・フリージアだ」
「王妃のサラ・フリージアです。この度は娘がお世話になったようですね」
「お初にお目にかかります。篝野 涼です。ねぇ、アニエスって……」
「はい、第一王女にして第三位王位継承者アニエス・フリージアです。改めてよろしくお願いします。お姉様♪」
うっ、何かはめられた気がする。
ガチャッ
「アニエスが帰ったというのは本当ですか父上!」
いきなり右手の扉が開き、一人の青年が現れた。
背がすらりと高く、燃えるような鮮やかな赤毛で、瞳はラベンダーの紫。顔立ちは国王に似ている。
「ギル兄様!」
「本当にアニエスなのか?屋敷を出発してまだ3日しか経っていないというのにどうやって?」
そこでギルと呼ばれた青年は、俺とどこでもドアを刺すような視線で睨む。
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