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「いつつ……いや、わりーわりー、つい……な?」
「ついじゃありません!いきなり痴漢行為をするなんて王族として……」
「あー、アニエス。その話は聞き飽きたよ。それより自己紹介させろよ」
まだ何か言いたそうなアニエスを引き剥がして、少年は俺に向き直った。
さっきの事があるので、警戒は怠らない。
「まあまあ、そう身構えないで。俺はライオネス・フリージア。あっちの堅物の弟でこれの兄。よろしく、リョウちゃん♪」
「はぁ、どうも……」
これが第二王子……ただのチャラい奴にしか見えない。
「国王陛下!」
また人が増えた。ギルバート王子が出てきた扉から、今度は銀髪の美女が現れた。
「どうかしたかね?シルフィオネ」
「どうもこうもありません!例の候補者を姫様が連れて来たと聞きました!あれは私が務めると言ったはずです!」
さらに美女は国王にあれやこれやをまくし立てている。
「アニエス、彼女は?」
「シルフィオネ・ラグランジェス。私の親衛隊隊長です」
「へぇ~」
そんな事を話していると、シルフィオネさんが俺に向かって歩いて来た。
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