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「お前か。奇っ怪な魔法具で姫様をお連れした奴は」
じー、と無遠慮な視線が俺の頭から足先までを眺める。
「あまり強そうには見えないな。貴様、幻術で姫様をたぶらかしたのではないだろうな?」
ギロッと鋭い視線とドスの効いた声で俺を脅してくるシルフィオネさん。
すみません、素で泣きそうです。
無罪でも土下座で謝りたくなる程に彼女は迫力と威圧感があった。
「決闘だ」
「はい?」
「貴様の実力を見てやる。今すぐ裏手の訓練場まで来い!」
な、何で!?俺、アニエスをここに連れて来ただけだよね!?何でいきなり決闘!?
俺どっかでフラグ立てた!?
「お待ちください姉上!」
おぉ、ロラン。今まで空気だったから忘れていた。って、姉上?
「何だ?姫様を護れなかった愚弟よ」
「うっ、罰は後程受けます。しかし、決闘はいくらなんでも……」
「お前、私が負けると思っているのか?」
「い、いえ……」
姉弟の会話を聞きつつ、俺はアニエスに問いかける。
「あの二人姉弟なのか?」
「はい、騎士の名門の生まれです」
そう言えば、俺と最初に会った時の対応もどこか同じ気がする。
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