当事者は置いてけぼり!?

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「また面白いものを出すな。相手の武器を複製するのか?」 「いや、こいつは……」 俺は空いている左手を水平に振る。すると、 ドドドドドドドドドドドドッ! 様々な形の剣が出現し、地面に突き刺さる。 「!?」 「どんな武器にも変わる武器だよ!」 地を蹴って真っ直ぐに向かっていく。 「はぁっ!」 「ふっ!」 ガキィン! 刀身がぶつかり合い、虚空に火花が散る。 隙を見て、俺は彼女の頭上に剣を出して落とす。 しかし、読まれていたらしく、体を少しずらされただけで避けられてしまう。 「手加減していては私を倒せはしないぞ!」 「みたいだな!」 切り払って再び距離を取る。 このままやってもこっちが不利か。なら……一気に決める! 剣を複数呼び出し、シルフィオネさんに向けて放つ。 「小癪な!」 彼女は全て叩き落としていく。 「破道の四、白雷!」 「!」 俺が放つ白き閃光を大剣で受け流す。 「小細工を……奴はどこだ!?」 「ここだよ」 「なっ!?」 見上げた彼女が絶句する。 浮遊する俺が乗っているのは、戦艦をも両断できる程に大きな剣だった。 斬艦剣。このアーティファクトの持ち主の必殺武器だ。 「まだやる?」 「ははっ、私の負けだ。さすがにこれは受けきれん」 この瞬間、勝敗は決した。
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