◇いつもの朝◇

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しばらくすると、エリーナは山のふもとの井戸の近く着いた。 しかし、そこには彼女よりも先に水汲みをしている人がいた。 「この私よりも先に来て水汲みするなんて…一体誰かしら?」 近づいて行ってみると、そこにはいたのは彼女のの良く知った顔があった。 「早いねーそこの少年!」 エリーナは、そこにいた少年の後ろから元気よく声をかけた。 「あっ! って…エリーナ?」 「おはよー! ジャック。今朝は早いじゃない!」 少年は、いきなり話しかけら、驚いていた。エリーナをちらっと見て答えた。 「ああ…。 今日はなんだか早く起きちゃってさ…。 ていうか…何でそんなに息切れしてんの?」 「えっ! あは、あははは…。えっとー、走ったら暖かくなるかと思ったから、家から走ってきたのよ。」 「ふーん。そっか。 早く水汲みしたら?」 「そうね!」 そう言ってバケツをフックに引っかけようとしたが、さっき走ったせいで、余計に手が冷えてしまって、思うようにできない。 「あーもう! あったまにくるんだから!」 自分の手をさすったり、息を吹きかけてみたものの、全く効果がなかった。 見ると、自分の手は冷えて赤くなっている。 「貸して…。バケツ。俺がやるから。」 「いいの? ありがとう。」 少年は、エリーナのそばにおいてあったバケツを手に取り、すばやく水を汲んだ。 「はいよっ。」 そして、再びエリーナの足元にバケツを置いた。 「どうもありがとう。」 「ほら、行くぞ。」 「あ…。 でもまだ手が麻痺してるみたいだから、ジャックは先に帰ってていいよ。」 「はぁー。しょうがないな。お前の手が治るまで俺が持ってってやるから、早く行くぞ!」 少年は、エリーナのバケツを持ち上げると、早歩きで道を引き返していった。 「ちょ…ちょっと待ちなさいよー。ジャックー!」 思いっきり叫んでみたが、少年は全く聞かず、どんどん先に行ってしまった。 「はぁ。しょうがないわね。」 エリーナは諦めて少年のあとを追った。 しばらくし、エリーナは少年に追いついた。 しかし、また走ったせいで、元のもくあみになってしまった。 「はぁ…はぁ。もう! ジャック! なんでまた走らせんのよ!」 「ぷっ。 お前ってほんとに変なヤツ。」 「ちょっと! からかわないでよー! 私を走らせたのはどこのどいつよ。」
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