花カムロ

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何も分からず連れて来られ花街の置屋に置き去り。 男に酒の酌などしてみたら、どうだと進められ、お座敷きに上り…気付けば、それなりの名が通った芸子になっていた。 何で、こんな風に、なったんだと疑問符を浮かばせながらも、綺麗な着物が着れて、酒が飲めるから、いいかと安楽な考えでいた・・・。 「戀菊も一杯どうや」 いただきますぅ 並々と注がれた酒を飲み込めば、喉元が熱くなり顔が紅色に染まる。 内心は、ウメぇぇぇと叫びたい。はしたないから、叫ぶなと姉さん方に、どやされ、淑やかなフリをする。 お猪口をフルフルと振り回し流し眼を送ってやった 「おぉぉぉっ。戀菊もイケる口かい?なら、もっと飲みぃ」 ふふっ。お客さん飲ませ上手やねぇ~ 酌をするのと酌をされるのと飲み比べ。気付けば空になった酒の徳利だけが並んでいて客の顔は真っ赤か。 アタシと酒の飲み比べで勝てる奴なんていねぇーよ。気付けば、アタシは客を足蹴りしていた。 これが、ゴロゴロ回るんだ玉の様に。やり過ぎたと反省すれば 「あぁぁん・・・戀菊や、もっと足蹴りしとくれ」 オィオィ…とんだ、男だねぇ…旦那ァ 「はぁぁぁん・・戀菊、もっと足蹴り…もっと強く足蹴りしとくれぇ」
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