花カムロ

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アタシの足に傅き撫で回すのは、よしとくれ。アタシは、床の御供は、しないんだよ… アタシは、芸子なんだから。売れるのは、芸であって躰じゃねぇーよって言ってやりたいんだが、言える状況じゃねぇーし。 頬が引き攣るほどの笑みをうかべ言うしかねぇーんだ お戯れは止しておくれやす 「はぁはぁはぁ…いっいいでは、ないかっ戀菊や。もっと、戀菊の足で私を足蹴りしとくれぇぇぇ」 お座敷遊びは、こんな遊びか?理解に苦しむぞ、オイっ。 仕方ねえーから、時間まで、お遊びの相手しやったら、延長だと大枚振りかざして、アタシを朝まで離してくれなかった。 おめぇも飽きねぇーなァオイっ。帰り際、アタシの懐に金を忍ばせ 「戀菊…また、座敷に呼ぶよって…ほななァ」 お待ち申しあげて居りますわ旦那様ァ あぁ…頬が吊る。ねみぃ・・・目がシバシバするぜ、全く。高欠伸で、部屋に戻れば、どうらんも落とさず、布団に落ちる。 爆睡の域で寝に入り目を覚ませば、お天道様は、真上まで登っていた。湯浴びをして部屋に戻り煙管を吹かせば、やっと一息つけた。 窓枠に足を掛け空気の通りをつければ、新撰組の見回りが歩いて行くのが見え、御苦労なこったと紫煙を吐きながら漏らす。 「はいるよ、戀菊」 襖を開けて入ってきた女将は、眉を顰め無言で窓枠に足を掛けたままのアタシの足を叩き落とし、はしたないんだよ、お前はっ!! 眉間に皺を寄せ、永遠と呼ぶくらいの小言を聞かされウンザリだ。なんか聞くのも飽きた天気の話でもしてみっか 今日は、良い天気だねぇ~。こんな日にジメぽい話は、止めましょうや女将はん 「全く、アンタって子はっ」 アタシに何か、用やなかったんです? 「昨日、お座敷に上がったお客さんが、今宵も頼みたいんやて」 ・・・ぶふっ 世の中、攘夷だ、幕府だ、争いが絶えないってのに・・・気楽なもんだなオイッ。 アタシは煙管の灰を落とし笑う。まぁいいや、今宵も酒を鱈腹飲ませてもらおうとするか。アタシは、女将に二つ返事で承諾した。 女将が、ため息を吐きながら部屋を出て行った後、アタシは、お座敷に上がるまで、まだ猶予ありだと判断し着流し姿で部屋を出た。 ちょっと出てくるでぇよ。
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