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「うん……」 和葉はふに落ちないようだが致し方ない。 「行ってきます。」 「……いってきます」 玄関を出ると幼なじみの姫川希桜(キオ)と弟の貴祠(アツシ)が待っていた。 「おはよう。希桜」 「おはよ……ってどうした、怪我してる……」 「きーくん……」 「和葉……なんか知ってんのか?」 「ママが……」 「和葉。僕なら大丈夫だから」 希桜や貴祠には心配かけたくない。 「兄ぃ……」 「……」 希桜も貴祠も黙り込んでしまった。 「ぁ……そうだ。大地さん、今俺ん家居るから」 思い出したかの様に報告してくれる希桜。 「父さんが?」 大地というのは僕の父さんの名前。 「なんか昨日帰ったら鍵が無くて家に入れなかったって言ってたぞ?」 「鍵?僕開けといたけど……」
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