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「大方、おばさんが鍵かったんじゃねぇの?」 「……全く…」 ふと横を見るといつの間にか和葉に繋がれた手。反対側は貴祠の手を握っていた。 「兄ぃ」 「ん?どうした?」 「……僕、兄ぃが傷付くのもう見たくないよ……」 「和葉……」 胸が締め付けられそうだった。 「和葉」 ヒョイッと希桜に抱き上げられた和葉。 「きーくん…?」 「湊は俺が守るから」 「希桜?」 「貴祠も和葉も俺が守る」 小学生のくせに大人びた発言をした希桜。 「ありがと、きーくん」 「兄ちゃんありがと。でも和葉は俺が守る」 「「…………」」 その言葉に顔を見合わせる僕と希桜。 「あっちゃん……ありがと」 希桜の腕から降り、ぎゅむっと貴祠に抱き着く和葉。
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