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「すみません遅れました!」
俺は勢い良くドアを開けて深々と頭を下げながら入室した。
「あら?田仲軍団が揃って遅刻だなんて、珍しいじゃない?目障りだからさっさと席に着きなさい!」
俺の殊勝な態度を見ていきなりマラ春日のアイドル、桐島ミナミ嬢が罵り蔑んできた。
「オフゥ……」
ミナミ嬢の罵声に俺は不覚にも興奮してしまっていた。
言うまでもないが俺はミナミ嬢親衛隊の隊員No.5だ。
「くっそ~黒豆オカメが邪魔しなけりゃよー!」
蛯沢は不機嫌そうに俺の机に唾を吐き捨てる
「エビチ?ネボウしたか?」
留学生のシェレンさんだ、蛯沢とは何故か仲が良い
「ねぇミーナ?田仲くんが遅刻なんて今年に入って初めてじゃないかな?」
「そう?別にどうでも良いけど?」
ミナミ嬢の隣の席にはクラス委員の伊藤絵理子さんがいた。
何かミナミ嬢と話しているようだが、内容まではわからなかった。
「田仲ぁ!アンタってば終業式の日に遅刻するなんて!何考えてんのよ!?」
俺の横でキャーキャー煩いのが遠野月[トウノユエ]、コイツも腐れ縁で幼馴染みだ。
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