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そう、今日が終業式で明日からは夏休みだ。
糞下らない学園長の長話を聞いて、数字で人間の能力を定めた下らない紙切れを貰い無事に一学期最後の日を乗り越えた。
「おい、れお?」
蛯沢が急に立ち止まり、校門を指差した。
蛯沢が指す方を見て俺の背筋にひんやりとした何かが伝う
「お、緒留さん……」
校門の前に仁王立ちしていたのは、我等が緒留さんだった。
「待っていたぞ獅子!さぁ、お前の家まで行くぞ?」
「な、は、え?」
緒留さんの言っている言葉が全く理解出来なかった。
「お前、今は一人暮らしなんだろ?夏休みの間は私がお前を鍛え直してやるからな?覚悟しておけよ?」
「い、いや…今日はマサムネと蛯沢と……」
やはりと言うか流石と言うか、我が田仲軍団団員は早々と解散し、明後日の方角に猛烈ダッシュしていた。
「マサムネ達がどうかしたか?」
「なんでも無いですはい」
こうなってしまったら、緒留さんとの同棲を甘んじて受けるしか生き延びる道は無かった。
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