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俺がこの[聖☆マラ春日学園]に入学して、二回目の夏休みがやって来ようとしていた。
「おーっす田仲!」
「お~す、珍しく早いな?」
遅刻常習犯の親友と肩を並べて正門までゆったりと歩みを進める、食パンくわえて猛烈ダッシュ!
なんてモノは愚の骨頂、角で美少女とドーンっ!!
なんて展開、起こる筈がない
「あ、田仲、危ない……」
なんて考えていると、丁度角に差し掛かった所で鳩尾に衝撃が走り、瞬時に呼吸困難に陥り、俺はその場に膝まづいた
「………」
「わりぃ、れお、生きてっか?」
朦朧とする意識の中で幼馴染みの蛯沢が発する、可愛らしい少女の様な声が響き渡った。
「………」
「……」
「…」
「……むむ?」
頭部にひんやりとした無機質な感覚を覚え、目を覚ました。
「あ、生きてた?」
何故か数珠に経文を持った蛯沢が俺を見下ろしていた。
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