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お嬢の罵声のあとの伊藤さんの優しさは心に染みるなぁ~
俺達は二人を見送った。
「……なぁ、田仲?また1階に来ちまったけど、どうするつもりだよ?」
「……あぁ」
お嬢達を放って置いても良いのか?いや、駄目だな……いくらお嬢達でも緒留さんを相手にしたら……
お嬢達が緒留さんに惨殺されるところを想像して興奮と哀しみが湧き出てきた。
「なぁ田仲? もしかして全部、お嬢達の仕業なんじゃないか?」
「成る程、そんなに死にたいか?」
俺はスパナを振り上げた。
「じ、冗談だって、マジになるなって!」
「ったく……俺を人殺しにさせないでくれよ?」
だが、どうしたものか? お嬢があの様子じゃ、一緒に行動してくれそうもないしな……
「とにかく此処から出る手段を見つけよう、お嬢達はそれから助け出せばいい……」
これが最善の選択なはずだ……
「窓は全てシャッターが降りている、唯一の出入口もシャッターが降りている、シャッターを破壊できそうな物も今のところは無し……田仲、脱出は無理そうだし、諦めて現実逃避しようぜ?」
親友は携帯電話を取り出し、現実逃避を始めた。
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