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「全く……桐島の奴め、悪戯にも限度と言うものがあるだろう、学園生を拉致するなんて……」
私は桐島から届いた文を改めて睨み付けた。
【ハロー、緒留さん☆貴女の大事な従兄弟の田仲を学園に拉致しました。無事に返して欲しければ、アタシの物になりなさい、それじゃあね~】
私は思わず文を握り潰してしまった。
私が学園に入ったと同時に学園のシャッターが全て降りた……恐らくは桐島の仕業だろうが、その後に聞こえた獅子の同級生の蛯沢の悲鳴が気になる……
「桐島は2階の教室か……他には獅子、親友、伊達……伊藤か……」
私は学園内の気を探った。桐島は強く勇ましい気をもっているからすぐに見つかった。
桐島がどのような策を使ってこようが全て捩じ伏せる事が出来るだろう、獅子を人質に取られたとしても……やるしかない……
薄暗い廊下を駆け抜け、階段を駆け上がる、最短最速でもって、目的地を目指す。
「きぃりしまぁー!!」
扉を蹴破ると机に腰掛け足を組んでいた。
「ハロー、緒留先輩☆」
「お、緒留さん……」
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