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それから一週間が過ぎて
活気溢れた村は、なんの音もしない
人無し村になりました。
その村にいるのはただ一人。
紅い目をした青年だけがいました。
『これで終わったんだ…。僕は悪夢のような日々から抜け出せたんだ……』
青年はぽっかり穴が空いた気持ちでした。
少しだけ…いや。
少しも、嬉しくないのです。
僕を苛めたあいつらは消えたのに。
僕の家に火をつけたあいつらは消えたのに。
殴ってきた男たちは消えたのに。
蹴ってきた女たちは消えたのに。
なにも嬉しくありません。
むしろ胸がとても締め付けられたのです。
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