希望の娘

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「教えたら、イレーネは君をママとか呼ぶのかな」 「……呼ばれても複雑よ?」 「あはは、それもそうか」 「でもいつか私達に子供が出来たら、良いお姉ちゃんになるわね」 「エクリュ、誘ってる?」 「馬鹿」 ローウェルは幸せだった。 愛する妻と、希望に囲まれて。 出来る事ならば、この平和な時間が続けばいいと望んでいた。 いつか、子供と妻とイレーネと共に暮らす。そんな家庭が出来たならどれほどに素敵だろうかと、窓の外のどこまでも青く澄んだ空を見つめながら思う。 明日も晴れると良い。そんな事を考えながら、ローウェルはイレーネの淹れるコーヒーを待った。
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