二つの国

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大佐は淡々と場所を告げた。 「大統領官邸、わかるか?」 「は……っ?!」 思わず声を上げた。 大統領官邸、なぞ立ち入った事も無い。人生で一度も足を踏み入れる事の無いであろう場所だと思っていたローウェルは、一瞬言葉の意味がわからなくなった。 「待っ……どういう事……」 「あぁ、やはり研究所に車を向かわせる事にしようか。その方が良いだろう」 「大佐、ちょっと……!」 「じゃぁ、待っているよ、ローウェル元大尉。大統領も一緒にな」 「いやいやいやいや!! 大佐! 説明を……大佐? ……大佐!」
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