二つの国

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「……いってきます……」 大きく息を吐いて、ローウェルは車に乗り込んだ。 ふわふわした椅子も運転手も、ローウェルにとっては肩がこるばかり。 車窓の外に流れる景色がだんだんと高いビルばかりになっていく。 国会を過ぎ、豪奢な石造りの建物の門を通って車が止まる。 運転手が降りて、ローウェルの座る後部座席のドアを開けて降りるように促された。
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