二つの国

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大統領官邸の応接間の扉の前でラマーズ法呼吸するローウェルを横目で見ながら、大佐がノックをする。 すると、中からどうぞ、と声がしたので、扉を開けた。 「失礼します」 「……失礼します」 「ああ、初めまして。良く来て下さった」 申し訳程度に挨拶を交わし、ローウェルは大統領の座った真っ正面にあるソファに腰掛けた。 演説なんか聞いている限りではこの大統領は支持出来る。 そう思っていた。 少なくともこの時までは。
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