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古いアパートの二階の窓から 今にも泣き出しそうな 空を見つめている。
ジメジメとした空気に 心まで落ち込みそうだ。
灰色の空。
蒸し暑い空気。
街も 色を無くしたように 勘違いしてしまいそうだ。
六畳二間の 狭い この部屋では 息が詰まりそうだ。
窓を開け しばらくの間 飽きもせず 曇った空を見つめていたが そこから 目を離し 部屋の中を見渡す。
布団の敷きっぱなしの 散らかった部屋。
洗濯物は そのまま。
汚れた茶碗も 流し台の中に 置きっぱなし。
布団の回りは スケベな本がバラまいてある。
…さすが 男の部屋だ。
感心するほどの汚さ。
軽く息をつき 立ち上がった俺は 大きく 背伸びをする。
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