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第三話 [故郷]
その後も何度かラティスとのミッションをこなしたが、そのたびに空耳が聞こえている
そして、こいつは相変わらず撃墜0
足を引っ張っている・・・はずだったが、ミッションランクはSが続いた
いくらなんでも出来すぎだ、そう思った俺は、機体の前にいたラティスに声を掛けた
「ラティス、ちょっといいか?」
「はい、何でしょう」
いきなりこの状況を問いただすのも気が引けたので、別の話題を振ってみた
「よう、このロードブリティッシュ、名前あるのか?」
「スターフィールドです」
「どんなAI使ってるんだ?」
「AI?何ですか、それ」
「AIを知らねぇのか?ちょっと見せてみろ」
俺はスターフィールドのコックピットを確認したが、確かにAIらしき物は存在していない
「AIのサポート無しでやってるから、いつまで経っても撃墜できねぇのか、エンジニアに頼んで付けてもらえよ」
「AIというものがあっても、私には撃墜はできないと思います」
「いや、なんだ、お前と組むようになってから、俺の調子がいいし、お前にも活躍してもらいたいと思ってるんだがな」
心にも無い事を言ったつもりだったが、何故か俺の中には照れがあった
「私は、あなたが頑張ってくれるように祈りながら出撃してますので」
ラティスはそういうと珍しくニッコリと微笑んだ
普段、そんな表情をしないから驚き、俺はそれ以上何も聞けなくなってしまった
「ところで・・」今度はラティスから話をしてきた
「あなたは、故郷はお嫌いですか?」
「は?」
「惑星ラティスはお嫌いですか?」
こいつ、何で俺が惑星ラティス出身って知ってるんだ?
「あんまいい思い出もねぇし、好きじゃねぇけど・・」
「もし、惑星ラティスに危機が迫ったら、あなたは力を貸してくれますか?」
危機が・・・迫っているのか?
「まぁ、そういう命令が下れば、しかたねぇし、行くけどよ」
「そうですか・・」
ラティスはちょっと残念そうな顔で言った
「あ、いや、邪魔して悪かったな・・」
そういうと俺はその場を離れた
何かコイツと話してると調子狂うな・・まぁ、ミッションランクは結果オーライだ
これ以上気にしなくてもいいだろう
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