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「えー、なにこれ泣きそうなんだけど、割りとホントに……」
精神を蝕ばんでしまいそうなほど、威圧的な風貌をする、この広い部屋に涙目で立つのは星暗 燦[せいあん さん]
パジャマ姿で細身、真っ白な肌に幼さがちらつく16歳。
「滅茶苦茶怖いんだけど……無茶苦茶怖い……」
その口から発した透き通るような声はこだますらしない。
燦はだんだんと自分が恐怖感に苛まれているのに気がついた。
しかしその不安を感じている表情をすぐ元の、のほほんとした顔に戻したのは燦のなかにある一つの認識。
これ夢じゃない?
「なんてさ、こんな都合のいい考え方、絶対にできないよ」
そんな現実は通らない。
次に二重の大きな目と首を連携させ辺りを見回した。
「んん?なにか刺さっている?」
細目にしながら純白の床に突き刺さる何かに歩み寄る。
カッカッと床を踏む音と共に。
「どうなっているんだ……ここは……」
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