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止まらない不信感。
止め処なく溢れる泉が漏れる。
「いやいや、ちょ。タンマタンマ」
なんで、こんなとこに。
帰せ!
僕を家に帰してくれよ!!
「この人でなし!!」
頬をつねろうと両手を顔に近付けるが、現実を知りたくないのか、首を左右に大振り、手を下ろした。
「このやろーこのやろーこのやろーこのやろーこのやろーこのやろー!!」
「寒いぞこんにゃろー!!」
まるで親鳥がいつになっても帰ってこない、寂しさに凍える雛鳥のように、燦の心は揺らいでいた。
そして、その心は……
「ううっ……!?」
突発的に暴走を始めた。
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