表裏一体 ~chapter1~

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声がした…… ぼ、僕以外に人がいるんだ…… 横に倒れ、ぐったりとした彼の目には映りしは、二つの足。 「ひ……と……」 そう認識する。 次に足の主はゆっくりと、しゃがんだ。 ……この息遣い……女の子? 消えかけた燦の意識に、二つのものが認識された。 一つは剣だった。 見間違えるはずはない、あれは白銀に輝くソードだ。 薄れゆく意識の最中、思った。 恐らく、右の手で持っているのだろう。 二つ目は左手に持つ、盾だ。 紋様を複雑に彫られた、盾だ。 どこの人なんだ…… おや……盾を、置いたぞ。 今……僕の頭に…… その人は彼の髪にそっと手をしのばせた。 振りほどく気力はもう既にない。 見知らぬ何かにこんな事をされているのに…… すると、しのばせた手が真っ青に光り始める。 温かな温もりが拡散する。 すぐに感じた。 苦しみが癒されていく感覚。 気持ち良い……
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