表裏一体 ~chapter1~

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手から伝わる波動のようなもの。 ーーそうか、あなたは……あなたは天使様なんだね…… もうどうでもいいや。 どうでもよくなる程、この感覚は燦から苦しみを取り去っていった。 人間にとって、苦しみが和らいでいくと言うのは至高の快楽なのだ。 天使に見えてもおかしくないのかも知れない。 喋る気力を回復させた事を確信する。 「あ、あの僕は……死んで、死んでしまったんでしょうか……」 意外にも、返事は早かった。 「死んでないよ」 そ、そうなのか…… 「じゃあここは、天国じゃない……」 身体が動かせる。 お顔を拝見する。 上体を両腕で起こし、自身の興味心に従い、その顔を見上げた。 うん。 仰天だね。 女の子が鋭そうな剣とゴツい盾のようなものを持ち、やんわりとした感じでつったっているのだ。 ぼんやりしてるけど、どこか強い意志を秘めているのを感じさせる瞳。 端正な輪郭に小さな口。 作り物のような、白銀の長い髪。 どこの国にも分類されない、見たことない感じの人。 まるでお人形のようだ。 スーパードルフィーというのが、まさにそれである。 ますます夢なのか夢じゃないのか、分からなくなっていく。
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