表裏一体 ~chapter1~

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「ん、むむぅ……っ!」 ーーそんな!ウソでしょ!? い、今……僕……!! 「わ、ちょ……やめ、んむぁ……」 今、燦は…… 「うむぅ――!」 彼女に腕を掴まれたまま、接吻を強いられている。 口回りを滑らかに走らせるのは、彼女の舌だ。 それ以外の現状の理解などは、真っ白になる程の衝撃。 見知らぬ者に、このような事をされるのは例えようがない。 ひんやりとして、湿り気あるそれは、口回りの汚れを綺麗に拭きとり、離れた。 「んぐっ……!な、なななな何するんですか!!」 驚き過ぎて、ぶっきらぼうになってしまった。 「はぁ……はぁ……全く意味が分からない!なんなんだよ!!」 この燦と言う少年は本来、口調や容姿通り非常に他人に優しい性格で、よっぽどの状況ではなければ、自暴自棄になったり、人に強く当たったりしない。 はぁ……はぁ……、クソッ!! つまり今はそれだけ精神面が追い詰められているのだ。
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