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そんな彼に姿勢を合わせたまま、空気すら透き通ってしまいそうな声が伝えるのだ。
「私、ミハヤ」
「質問の答えになってないよ。キミは何者かって聞いてるの!」
ーーミハヤ、変わった名前だ。
けど今はそんなことはどうだって良い。
「それは、分からない」
「はぁ、分からない?いやほら、私は何処どこに住んでいますとか、学校は何処どこに通っていますとか」
彼はイラつき口調ながらも真面目に質問するも、それに答えられないでいるミハヤと言う少女。
しばらく経ち
「もういいよ、はぁ……」
と、半ば呆れた形相のままため息をついた。
まあこんな場所にぽつんと置かれたら、誰もがこうなるのかもしれない。
「そういえばさ、キミ……具合悪そうだよ?大丈夫?」
一見平然に見えるミハヤと名乗る少女は呼吸が乱れ、額には多量の汗。
「大丈…夫」
ったく……人のゲロ舐め取るかな普通.
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