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正直、ここまで具合悪そうなところを見せられたら、気にかけられずにいられない。
燦は立ち上がり、ミハヤを深刻な面持ちで見下ろす。
あたりをじっくり見回した時、あるものに気付く。
「ドア的なものがある……」
「いやあれドアだよね……」
視界を遮るものなど何もないのだが、この目で捉えられるというなら、左程に遠い距離ではないのだろう。
ーー行ってみよう!
「大丈夫かい?歩ける?」
彼女は首を縦にふる。
盾の凹部分に剣のポメルの凸部分をはめ、背後のホルダーに付け合わせ背負った。
彼女の動作は手際がいい。
それはすなわち、慣れていると言うことに他ならない。
そしていざ歩こうとゆっくりと立ち上がった時ーー
「ミハヤ!!」
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