序章

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 樹海の中心にある古びた遺跡内に仰向けに倒れた漆黒の鎧を纏った騎士。その周囲には飛び散った血痕。霞む視界で、騎士は俯く白銀の鎧を纏った騎士の頬に触れた。 「酷すぎるわ……また私を1人にする気?」 「サラは1人じゃない……。騎士団の仲間、民……そしてルージュ。力を貸してくれる存在を、サラは自分自身の能力で引き寄せたんだ……私は、安心して眠れる……」 「オリヴィアが私を導いてくれたから……貴女が居たから私は……っ」  白銀の騎士は堪えていた涙を流して、悔いの無い満足な笑みを浮かべている漆黒の騎士を抱き寄せる。 「もし……後世で出会えるのならば……私は必ず――」  
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