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エレベーターに乗り込むと薫は
当たり前のように手を伸ばしてきて、
後ろ手に私と手を繋ぐ。
そして、何食わぬ顔で
内田主任の隣に立っている。
でも、前と明らかに違っているのは、
そんな薫の行動に、ハラハラして
戸惑っている私はもういなかった。
今はむしろ大胆にエレベーターを
降りる寸前まで手を離さない私がいた。
内田主任気付いてないかな。
薫と手を繋ぎながら、
すぐ斜め前にいる
内田主任の様子を伺ってしまう。
それにしてもいい感じ。
うちの会社の素敵な男性、
私の勝手に決めた順位の
No.1とNo.2、
二人が並んで立っているのは
なかなかいい景色かもしれない。
と後ろから二人を眺めて朝から、
そんなくだらない事を考えていた。
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