真実

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目が覚めると辺りはすでに日が暮れて、 暗くなっていた。 寝ちゃったんだ。 薫は隣で規則正しい寝息をたてている。 やっぱり、キレイな寝顔。 まつ毛が長く瞼を閉じていても、 羨ましいくらいキレイな目をしている。 薫を起こさないようにそっと ベッドを抜け出し、シャワーを浴びた。 頭から温かいお湯を浴びながら 大好きな薫の事を考えると、 自然と顔が緩んでしまう。 このままずっと一緒にいたい。 この間忘れていった 着替えの荷物もあるし、 今日は泊まっちゃおうかなと、 バスタオルを巻いて洗面所の鏡を 覗き込みながら考えていた。 鏡の前のコップにたっている 薫のグリーンの歯ブラシ。 引き出しからゴソゴソと、 この前買ったピンクの歯ブラシを出し、 パッケージを破いて隣に並べた。 たったそれだけのことが たまらなく嬉しい。 いつの間にかニコッリ笑っている自分が 鏡に写っていた。 .
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