プロポーズ?

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身支度をととのえて ダイニングでコーヒーを 飲んでいる薫のところに行くと、 「えっ、それ着ていくの?」 と、私の全身を下から上に見ながら 不満そうに言った。 「えっ、へんかな。」 「可愛いけど会社に着て行くのは、 ちょっと許せないかなぁ。」 許せない?ってどういうこと、 薫が何を言いたいのか分からず、 口をとんがらせて、 「どうして?だって、これしか 持ってきてないし、なんでだめなの?」 「無いんだったらしょうがないけど、 でも、気をつけろょ。」 気をつける?まったく訳か分からない。 薫の顔を見ると再び手が伸びてきて、 私はまた触られるのかと思い 身を引いて薫の手をよけた。 すると薫は、ニヤニヤ笑いながら、 「違うよ、触って欲しいの?」 と意地悪く言って、 私の胸の襟のあたりを押さえた。 「上からだと、丸見えだぜ。 他の男に見せちゃダせメ。何気なく、 男は見てるから。」 えっ、薫そんなことを心配してたんだ。 やだ、恥ずかしい。勘違いした自分が すごくいたたまれなくて 薫の顔を見ないように下をむいたまま、 ベッドルームに荷物を取りに行った。 .
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