第二章 ―抜忍―

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―頭領の佐助に 報告を終え 自室で 書物を読んでいた月影は 勢いよく開いた障子に驚き そちらを見た。 そこには 如月と美雪が 後ろに 何かを隠して ニヤニヤと笑いながら 立っていた。 「何だ?二人して にやけた顔をしおって…。」 月影が言うと 二人は 中に入り 障子を閉めた。 そして 月影の前に座ると 美雪が 少し 頬を染め こう言った。 「今 里の方に 如月と買い出しに行って 面白い物を見つけたのだ。」 「面白い物?」 眉を寄せた月影の前に 二人は 後ろに隠していた物を出した。 それは 三冊の本であった。 「この本が どうしたのだ?」 そう言って 本を手に取った月影は 本の中を見て 目をパチクリと させた。 「こ…これは!?」 声を上げ 慌てて 本を閉じた月影を 二人は ケラケラと 笑って見た。 二人の持ってきた本には 女性の裸体が描かれてあった。 顔を真っ赤にした月影に 如月は からかったように言った。
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