第二章 ―抜忍―

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―それから 三日が過ぎようとしていた。 男は 奇跡的に 命を取り留めたが 深い眠りから 覚めようとしない。 鷹丸は 一睡もせず 男に付いていた。 死んだように 眠り続ける 男を見つめ 鷹丸は 腕を組む。 『よほど…疲れていたのだな。…甲賀では 見かけぬ顔だが…伊賀者か?それも 忍びだな…。あの瞳の鋭さ…かなりの 腕を持っている。その者が 甲賀に あのような姿で 倒れていたとは…抜忍なのか?』 そんなことを考えているうちに 鷹丸は ウトウトと 眠りだした。 さすがの鷹丸も 疲れが出たのだろう。 腕を組んだまま 壁に寄りかかり 眠っている鷹丸。
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