第二章 ―抜忍―

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―どのくらい 眠ったであろうか? 肌寒さに目覚めた鷹丸は 目の前にある 刀の刃に ハッとなる。 いつの間に気がついたのか 全身 包帯姿の男が 片膝をつき 刀を突き付けている。 包帯に包まれた顔は 両目と口だけが見える。 鷹丸は 軽く息をつくと 男を真っ直ぐに見つめた。 「またか…。申したであろう?俺は 敵ではないと。」 鷹丸の声に 男は 刀をゆっくりと下ろした。 「ここは…どこだ?」 掠れた声で尋ねる男に 鷹丸は 静かに応えた。
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