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「お、どうしたよ…随分積極的じゃん」
「うん、珍しい…」
佐々木と橋本はくすくすと顔を見合わせながら笑うと、藤崎が差し出してきた雑誌に視線を落とす。
続いて樋口も小さな欠伸をしながら雑誌に視線を移した。
藤崎はレストラン"サン"の噂が載っているページまでめくり、声をひそめて3人に話始めた。
「なんかね、ここ…噂になってるんだって」
「噂?」
佐々木の問いに藤崎はにやりと不吉な笑みを浮かべる。
橋本はそんな藤崎の笑顔を見て何かを察したのか、急に大きな声を出して首を横に振った。
「や、やだ!また怖いの!?」
「もー、はしもっちゃんは怖がりすぎー。大丈夫だって、噂はあるけど"あること"をしなければ無事なんだからさ」
「だって、藤崎怖い話ばっかりなんだもん…」
ぷぅっと頬を膨らませながら橋本は藤崎を睨むと、再び雑誌に視線を落とす。
雑誌のページは噂話・体験談・地図が記載されており、バスの停車場所からそう距離が離れていなかった。
自由行動は12時~15時の3時間。15時までにバスが停車してある駐車場に着いていれば問題ないのだ。
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