1067人が本棚に入れています
本棚に追加
あとは頃合いを見て見合いをして、条件の悪くない相手を見つけて、結婚して子どもを産む。
そんなありきたりな人生しか、頭には思い浮かばない。
けれど、そのありきたりな平凡さで人並みの幸せを手にできるのなら、それでいいと思う。
今まで平坦な人生を送ってきたのだから、分相応に小さな幸せを噛みしめながら過ごせれば十分だ。
昌は帰り道途中のスーパーに入り、惣菜を一品と、350mlの缶ビールを二本手にする。
「さしずめ、コレが『小さな幸せ』ね」
にこーっと笑みをこぼしながら、「あ、サラミ」と踵を返して、今夜の肴を取りに行った。
最初のコメントを投稿しよう!