1.再会は突然に

7/8
前へ
/224ページ
次へ
 昌が部屋の前まで近付くと、その男子高校生は顔を昌へと向け、じっと見つめてきた。  近くで見ると男らしい端正な顔立ちをしていて、尚更心当たりが見つからない上、見下ろされる視線に居心地が悪くなる。 「……あ、の?」  それ以上相手からの反応がないため、おそるおそる昌から声をかけてみた。  すると、その声に反応して瞬時に目を見開き、表情が崩れて満面に笑みが浮かぶ。  その笑顔は昌の脳の奥に眠っていた記憶を揺さぶり、一人の男の子の姿を思い出させた。
/224ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1067人が本棚に入れています
本棚に追加