2人が本棚に入れています
本棚に追加
日は明けて四月二日。
空は人工の絵の具を水に溶かしたような青。
今の心情にピッタリだ。
新しい学校生活の始まりに相応しい一抹の濁りすら感じられない心は雲一つ無いこの青い空に似ている。
……とかカッコつけたこと言ってみたのだが。
「はぁー、だりぃだりぃ」
ガラリ。
教室にやってきた女教師のせいで俺の心は不安要素で充満した。
ツッコミ所がありすぎて困る。
美人……なのだが金髪だし、煙草吸ってるし、サングラス掛けてるし。何なのこの人。
「担任の西口紫音(にしぐち しおん)だ。あんまり頑張りたくない主義だから問題とか起こさないようにしてくれよ」
どんな主義だよ。
「あぁ、それと……霧谷!」
何故か指名された。最前列だからか?
「普通この後何すんの?」
衝撃だった。
お前、教師だろ。普通はこの後何するかってのは自分で考えてあるもんだろ。とは言えず。
「えぇーと……自己紹介とかするんじゃないっすかねぇ」
頭をポリポリ掻きながら自己紹介を提案してみた。
最初のコメントを投稿しよう!