カオス学園

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と、まあそんな訳で俺が不安と哀愁に身を委ねていると、ほどなく俺にも自己紹介の順番が回ってきた。 「えーと……。霧谷真一です。まあ……以上で」 ふと顔を上げると「え? お前が自己紹介とか言い出したのにそれで終わり?」みたいな顔をしてクラスの連中がこっちを見ていた。 うわあ……。 苦手なんだよな、こういう空気……。 仕方ない。 何か面白いことでも言ってやるか! 大きく息を吸って、吐く。 そして声高らかに。 「以上です!」 ガタタッ。 クラスの何人かが椅子からずっ転けたような音がしたが気のせいだろう。 というか、本当に何も喋ること無いんだから仕方ねえだろ。 キーンコーンカーンコーン。 絶妙なタイミングで休憩時間を告げるチャイムが鳴った。 え、何これ。 俺が教室の空気を白けさせたその直後そのままの空気で休み時間? もうコントだろこれ。 なんだか今日は終日哀愁漂う一日になりそうだった。
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