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呼び止められ振りかえると、ミチカという知り合いの女性がいた。
「久し振りね、にくす。元気にしてた?」
ミチカの問いかけに、一回頷く。
「ならいいの。……あぁ、そうだわ。さっき黒に会ったんだけど、にくすを探してるみたいだったわよ?」
ミチカの言葉に、目を見開いた。
「ふふふ。喧嘩でもしたのかしら?」
図星だ。
未だにクスクスと肩を揺らすミチカを睨むと、携帯が鳴った。
……マキナからだ。
「あぁー!ちょっとニクスぅ!!」
マキナの高い声がきーんと耳に響いた。
「何よ」
「何よ、じゃないし!ニクスってばクロとけんかしたでしょぉ!?」
図星だ。
「だから何」
「開き直んなし!クロ超キレてるし、恐いし、八つ当たりされたしぃ!」
電話口でわんわんとマキナが泣き叫ぶ。
「いいから早く仲直りするし!これ以上八つ当たりされたらたまんないしぃー!!」
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