学校を抜ける高揚感と二度寝の至福は癖になる

4/5
前へ
/40ページ
次へ
 あれは去年の冬頃のことだ。 私と楓は買い物をしていて、その帰りに地下鉄に乗ったんだ。 けっこう混雑していて、痴漢も何人かいたんだろう。 事実、私のスカートに手をかける輩がいた。 もちろん、その手を掴んで安全ピンでめった刺しにしてやったがね。 しばらくして、隣にいた女性が、私の後ろに立っていた男の手を掴んで 『この人痴漢です!!』 と叫んだ。 私もさすがに驚いてね。痴漢扱いされた男を見ると知った顔だった。 同じ学校の制服だった。確か、名前は田代と言った。 田代はパニックになってオドオドしていた。 周囲はゴミを見るような目だった。 しかし、私にはどうも痴漢をするような奴には見えなかったのだよ。 すると楓が『あの人、痴漢じゃないよっ。だって両手でiPod弄ってたもん』 と言った。 その言葉で私は田代を助けようと決心し、 『その男は痴漢ではない』 と擁護した。 すると痴漢されたという女性が 『なんで庇うの!?私はっきり見たわよ!』 とヒステリックに反応してきた。 私も同じ女だが、ヒステリーで騒ぐ女は嫌いだ。 そこで私はこう言った。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

65人が本棚に入れています
本棚に追加