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「私をなめないでくれる?」
ツバメはすっと構えをとると、警察官たちに向かって行った。
「なっ……!?ぐはっ」
「うっ……!」
ツバメは警察官たちを次々と倒して行く。
「お、おまっ、空手までやるのかよ!」
「護身術のひとつやふたつ、出来なくてどうするの?それより今日は藤元刑事元気ねー?私に会えなくて寂しかった?」
ツバメはわらいかけながら、近くの警察官に肘鉄を食らわせる。
「んなわけあるか……!さっさと水晶返せ!」
「これは本来あの男が持つべきじゃない。あの男にこれの入手方法なんかを聞いてみるといいわ。きっと答えられないからさ」
あの男、とは“クリスタルドロップ”の持ち主のことだ。まるでツバメは本当の持ち主を知っているかの口調。藤元刑事は首をひねる。
「それはどういう……」
「そこまで教えてあげる義理はないわね」
ふっとツバメはバカにしたように笑う。
「今夜もお宝は頂戴しました。無能な警察さんたち、さようなら♪」
「あ、待て!」
窓の外に姿を消すツバメ。ここは超高層ビルの最上階で、常人ならば確実に死んでいる。しかし彼女は毎回ピンピンした状態で参上するのだ。
毎回のことなのでもう驚かなくなったが、彼女の人間離れした行動にいつも翻弄されてしまう。
「あーくそっ!また逃がした!」
また始末書か……と藤元刑事はがっくりとうなだれた。
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