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あやめは目を丸くする。 「だって会長って長くて綺麗な黒髪だし。警察は20代って言ってるけど会長って大人っぽいから見えなくもない!」 あやめはいつも長い黒髪を後ろの低い位置でまとめ、眼鏡をかけている。 「でも瞳は黒じゃん」 「そうなんだよね~。会長がツバメだったらおもしろいのに!」 「……私が怪盗なんて無理ですよ。それにツバメさんは高いところから飛び降りても大丈夫だとかいうらしいじゃないですか。私はそんな不可思議な力持ってませんしね」 あやめは苦笑した。 「しかも当てはまってるの黒髪だけじゃん。いくらでもいるってーの」 「もー、冗談だってば!」 話していた2人は話しながらも作業を続ける。 あやめはそんな2人を微笑ましそうに見つめ、自分の仕事に戻った。 その後、誰もいなくなった生徒会室からあやめは静かに退室する。 下駄箱に行くと、そこには人影があった。 「あれ、城じゃん。いつもこの時間?」 「藤元くん。ええ、そうですよ」 「それじゃあこの間寝過ごした時は相当遅い時間だったんだね」 「……お恥ずかしい限りです。まさかあんなところで寝てしまうなんて」 頬を淡く染めるあやめは、もとがいいだけにものすごく絵になる。優は思わず見入ってしまった。
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