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「藤元くん?」 あやめの怪訝そうな声に、優ははっと我に返る。 「あ、ごめん。そういえばさ、今日もツバメから予告状届いたんだって。父さんがすごいはりきってたよ」 「そうなんですか。藤元くんのお父様は仕事熱心ですね」 「もうあれは意地だと思うけどね。それじゃ、また明日」 「ええ、また明日」 そのまますれ違って2人は別れる。 ガタガタンッ! しかし背後からした音に優はびっくりして振り返った。 「城!?」 そこには苦しそうに大きく息をしながら下駄箱にもたれかかるあやめがいた。 「ケホッゴホッ!」 「大丈夫!?城!!」 激しく咳き込むあやめの背中をさすって優は気付く。 ………熱い。 額に手をあてるとやはり熱かった。相当熱が高いようだ。 「はあっ……す、すみません。大丈夫ですよ」 「全然大丈夫じゃないよ!保健室……はもう先生帰ってるな。城の家まで送るから。立てる?」 「大丈夫……一人で帰れます」 そう言ってあやめは下駄箱に寄りかかって立ち上がろうとする。 しかしふらりとよろけて倒れそうになった。 「城!!」 慌てて優はあやめを支えたが、あやめは激しく咳をし、高熱のためか意識がはっきりしていないようだ。
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