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「睡眠不足でなかなか風邪が治らなかったんでしょう。おまけに喘息を呼んでしまったようですね。昔の喘息が無理をしたのをきっかけにぶり返してしまったのだと思います」 「そうなんですか……」 優はなんだか情けなくなる。 少し気に掛けてみようと思っていたのに、実際は無理をしていることにもまるで気付いていなかった。 「それで……君はクラスメイトなんですよね?彼女の家に連絡しましたか?」 「それが……最初は家に送ろうとしたんですけど、教えてくれなくて。連絡先も知りません」 それを聞いて医者は困ったように考えこむ。 「そうですか……困りましたね。うちは入院ベッドがありませんからずっとここにおいておくわけにもいきませんし……」 ここは学校から一番近かった個人病院だ。もう診察時間はとっくに過ぎているため、長居するのも申し訳ない。 「………俺の家に連れていきます」 悩んだ末、優は口を開いた。 「城の家がわからないんじゃどうしようもないし……。親に連絡してここまで迎えにきてもらいます。母さんがいろいろしてくれるだろうし……」 「そうですか。それならよろしくお願いしますね」 「はい」 優は携帯を取出し、家に電話をかけた。
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