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「あ、お姉ちゃん起きたよ!」
「!?」
予想に反して出迎えてくれたのは4、5歳くらいの女の子だった。
大きな瞳を嬉しそうに輝かせ、可愛らしいツインテールを揺らしながらあやめに駆け寄ってくる。
「え?え?」
状況がわからず、あやめはただ混乱するばかりだ。
「あ、城!よかった、目が覚めたんだな」
「藤元くん……?」
優がいるということは、けこは優の家なのだろうか?
そうだとしたらなぜ自分は彼の家にいるのか?
疑問が浮かぶものの解決しない。
「城、学校で倒れたんだよ。家の場所教えてくれないから、とりあえず病院に連れて行ったあとに俺の家に連れてきたんだ」
それを聞いてあやめは目を丸くするが、考えてみれば学校で優と会ったあとの記憶がない。
「そうだったんですか……。それは大変な迷惑をおかけしました。申し訳ありません」
深くあやめが頭を下げると、優が慌てる。
「いやいや、俺が勝手にやったことだしね。あ、城、家に連絡したほうがいいかも。今もうだいぶ遅いから」
「えっ!?」
そう言われてあやめが時計を見ると、すでに夜中の1時近くだった。
小さな女の子がまだ起きていたからか、勝手にそこまで遅くないと考えていた。
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