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「たっだいまーっ!」
玄関で元気な声が弾む。
クリクリした瞳が可愛い小さな男の子が廊下をトコトコと歩いていく。
そして、
オレンジ色の光が射し込んでいる台所を廊下から覗き込んだ。
「あら、ヒロ君お帰りなさい。」
キッチンで料理をしていた母親が我が子の気配を感じて振り返り挨拶を返す。
「ん?どうしたの?
そんな所から顔だけ出して?」
顔だけ入口から覗かせて、台所に入って来ようとしない男の子に問いかける。
「……」
すると、
男の子は困ったような表情を作り無言で俯いてしまう。
「あっ!分かった!
ヒロ君またお洋服汚したんでしょ!」
「‥!」
母親の少し大きくなった声に反応して男の子はビクッと肩をすくませた。
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